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神田外語大学出版局

やまと言葉の人間学
 
やまと言葉の人間学
著者竹内整一
やまと言葉の人間学
 
四六判・296頁


ISBN4-8315-
ISBN978-4-8315-1662-6
C0012

2024 年発行 

昭和初めに和辻哲郎よってなされた、なぜわれわれは哲学という営みにおいて「最も日常的な、最も平俗な」「潑剌たる生の内容を担った言葉」「活きた言葉をもって考えようとしないのであろうか」という提言を受け、今ではあまり意識されることもなくなってしまったやまと言葉の持ち来たった、他者や事物への、より具体的、より直接的な結びつきや関わりのあり方を、それ自体として確かめることを目指す試み。「おわりに――やまと言葉の系譜――」では、本書で扱ったそれぞれのやまと言葉を、著者の他の著作で扱ってきたやまと言葉もあわせ補いつつ「系譜的連絡」をつけてまとめる。

●目次●
はじめに――やまと言葉で考えるということ――
Ⅰ「もてなし」と「やさしさ」
「もてなし」について
  見返りを求めずに相手を遇する/「もてなし」と「押しつけ」/さりげなく、わざとらしくなく/わざとらしくなくとは
「わざ」について
  「人間のわざ」「神のわざ」/「隠された神意」/人為と自然の「あわい」/「わざと」「わざとらしくなく」/太宰治の『人間失格』の「わざわざ」
「たしなみ」について
  「お酒はたしなむ程度です」/欲求と節制のほどよい加減/「たしなみ」のある人/「たしなむ心は他力なり」
「つつしみ」について
  心をひきしめ、かしこまること/「独りを慎む」/畏敬としての「つつしみ」/「つつしみ」の心は自然の法則に合致する/「つつしみ」の美学
◆付「自粛」について
  自粛という禁欲のあり方/「みずから」粛すこと・「おのずから」粛すこと/自然・意気・諦念
「ほほえみ」について
  「顔でこそ笑っていたが、全身で泣いていた」/微笑は「念入りに仕上げられた作法」/幸せと抑制/つぼみが開くことも「ほほえみ」
「きれいさ」について
  「きれい」な和食の魅力/花やかな美しさと清浄さ/自然の清らかな働き/倫理観としての「きれいさ」/「すまない」とお祓い・禊ぎ
「かたじけなさ」について
  敬意と恐縮/「かたじけなさに涙こぼるる」/「かしこし」と「ありがたし」/「もったいない」
「いたわり」について
  若者用語の「いたい」のニュアンス/「いたい」「いたむ」の意味/「いたましい」「いたわしい」「いたわる」/自己の「かなしみ」・他者の「かなしみ」
「やさしさ」について
  現代語の「やさしい」/「含羞」としての「やさしさ」/「なさけ」「やさし」の演技性/安易さとしての「やさしさ」
Ⅱ 「なつかしさ」と「かなしみ」
「なつかしさ」について
  「なつく」から「なつかしさ」へ/再会の〝実‐現〟としての「なつかし」/時間の重要性と「なつかしさ」/「なつかしい時間」を取り戻す
「こいしさ」について
  「恋しさ」は「寂しさ」/「~に恋ふ」という語法/「忍恋」
「よろこび」と「たのしみ」について
  神の恩恵を「よろこぶ」/神の恩恵を「たのしむ」/音楽としての「楽」/「楽」と「楽し」
「しあわせ」について
  「仕合はす」から「仕合はせ」へ/「おのずかから」と「みずから」の「あわい」/“happy”“lucky”と「しあわせ」/「めでたさ」と「しあわせ」
「かなしみ」について
  「かなし」という感情/表現としての「かなしみ」/死はひたすら「かなしめ」ばいい/「悲しみの復権」
「あわれ」について
  現代語の「あわれ」の意味/「あはれ」の由来と変容/能「隅田川」の「あはれ」/「空即是色」の彩としての「あはれ」
「どうせ」について
  「どうせ」は、結果の先取り思考/批判されるべき「どうせ」/可能性を開く「どうせ」/「どうせ」「いっそ」「せめて」「せっかく」
「ゆめ」について
  「夢」の多義性/夢のリアリティと神秘性/「ありてなければ」――夢か現か/「この世は夢」をどう生きるか
Ⅲ 「ただしさ」と「つよさ(こわさ)」
「いさぎよさ」について
  清らかさとしての「いさぎよさ」/「未練がない」心の態度/「未練がない」と「未練がましくない」/「『碧巌録』は七巻までで止めておけ」
「ただしさ」について
  「正しく恐れる」ことのむずかしさ/やまと言葉の「ただし」/「正しい原因に生きる事、それのみが浄い」/「ただしさ」の必要条件と十分条件
「いかり」について
  「いかる(怒る)」の語源/煩悩としての「いかり」/「人の違ふを怒らざれ」/「いかり」の肯定的意味
「うらみ」について
  「尽きぬ恨みの炎に燃え焦がれる鬼」/心の内・裏から外に向かう「うらみ」/「うらみ」と「甘え」/「うらみ」の鬼・怨霊のゆくえ
「がまん」について
  仏教語としての「我慢」/「我」なしには「がまん」できない/辛抱する・耐える・忍ぶ・堪える/阿久悠の描く「やせ我慢」/福澤諭吉の「瘠我慢の説」
「おに」について
  『鬼滅の刃』の魅力/鬼退治の話/鬼と人間/節分の鬼、平穏な日常
「よわさ」と「つよさ」について
  「強さ」と「弱さ」――『鬼滅の刃』から/武士道の「強さ」/『平家物語』で描かれた「強さ」と「弱さ」/「たおやめぶり」と「ますらおぶり」
「たおやかさ」について
  若者用語の「だいじょうぶ」/「たおやか」ということ/「たおやめ」の強さ
Ⅳ 「いのり」と「なぐさめ」
「いのり」について
  「神を祈る」と「神に祈る」/「何事のおはしますかは知らねども」/「私か。私も多分祈れまい」
「おかげ」と「かげ」について
  「おかげさま」とは誰のことか/「かげ」の意味するもの/「おもかげ」について
「かぜ」について
  「かぜの音」「かぜの香」「かぜの色」/「かぜ」という言葉の使われ方/「かぜ」と「いのち」/「風」と「息吹」と「たましい」
「なぐさめ」について
  「わが心慰めかねつ」/「なぐさむ」「慰」とは/世阿弥「姨捨」の「慰めかねつ」/「霊を慰める」とはどういうことか
「まつ(待つ)」について
  「待つ」という主題/世阿弥・三島由紀夫の「班女」/誰が誰を「待つ」のか/「みずから」「おのずから」に「待つ」/「待つがいい」
「わかれ」について
  「生者必滅、会者定離」/「さらぬ別れ」/「会うは別れの始め」/「別れ」としての死
「さようなら」について
  日本と世界の別れ言葉/「さらば」「さようなら」は接続詞/「さようであるならば」とは/弾み・勢いを秘める「さらば」「さようなら」/「さようなら」のその先へ
おわりに――やまと言葉の系譜――
引用・参考文献一覧

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