トップページへ新着情報各種案内ダウンロード書評┃ サイト内検索
日本思想
日本文学
江戸人物読本
日本文化
美術・芸能
日本の歴史・伝記
西洋の歴史・伝記
東洋文化
西洋文化
エッセンスシリーズ
人類学・民俗学
政治・経済
季刊日本思想史
江戸文学
日本の美学
日本思想史講座
相良亨著作集
日本思想・個人全集
近世儒家文集集成
近世儒家資料集成
山東京傳全集
叢書 禅と日本文化
定本日本絵画論大成
明治人による近代朝鮮論
新訂日本名所図会集
新聞資料
文芸・随筆
実用書
一般書
なるにはBooks
5教科が仕事につながる!
探検!ものづくりと仕事人
しごと場見学!
発見!しごと偉人伝
こだわりシリーズ
仕事シリーズ
至言社
神田外語大学出版局

古代日本の穢れ・死者・儀礼
 
古代日本の穢れ・死者・儀礼
著者尾留川方孝
古代日本の穢れ・死者・儀礼
 
A5判・592頁


ISBN4-8315-
ISBN978-4-8315-1526-1
C3021

2019 年発行 

奈良・平安時代における死者理解・死者観念を、死者への態度と存在形態・空間の認識から論じる。



●目次●
序 章 死者観念に関する先行研究とその限界
    一 柳田国男の祖霊観念とその限界
    二 本書の考察対象と先行研究
    三 本書の構成
    註
第一章 穢れが問題とされる状況とその変容――神祇祭祀から朝廷儀礼へのひろがり――
 第一節 神祇祭祀との関連からみる穢れ規定――斎戒規定の拡張と神祇祭祀からの独立
    一 はじめに
    二 式における穢れと斎戒
    三 式の運用
    四 穢れの祭祀からの分離
    五 分離の時期
    六 式の意義
    七 小結
    註
 第二節 年中行事の成立と神祇祭祀の地位の変化――官撰儀式書の構成の模索と漢籍
    一 はじめに
    二 日本の儀式書と中国の儀注
    三 中国の儀注の内容と意義
    四 日本の儀式書と歳時
    五 唐での歳時と礼の関係
    六 日本での儀式の実行主体
    七 儀式書と『礼記』月令
    八 神祇祭祀の位置づけの変化
    九 小結
    註
 第三節 由来を異にする儀式間の交渉と年中行事――喪葬儀礼の変容と穢れ観念の成熟の影響
    一 はじめに
    二 儀礼の重層的成立
    三 喪葬儀礼の反転
    四 神祇祭祀の律令儀礼化
    五 穢れと儀式
    六 儀礼の範疇の変化と儀式書の変遷
    七 小結
    註
 第四節 日本の神祇祭祀と唐の祭祀の差異――祭祀とは神と人のどのような形態の関係か
    一 はじめに
    二 中国の祭祀儀礼
    三 日本の神祇祭祀
    四 小結
    註
第二章 喪葬儀礼と死の穢れ
 第一節 穢れ規定成立時の「人死」の内容とその由来――平安時代初頭における穢れと喪葬儀礼の関係
    一 はじめに
    二 「人死」はどのような事態か
    三 「人死」は伊勢神宮由来か
    四 仮寧令と「人死」
    五 唐の祠令と穢れ規定
    六 小結
    註
 第二節 吉礼と凶礼の択一関係と穢れ規定――律令期において喪葬が位置づけられる対立の構図
    一 はじめに
    二 国家の秩序における喪葬の位置づけ
    三 吉礼と凶礼の衝突
    四 光仁上皇の喪と穢れ規定との関係
    五 小結
    註
 第三節 摂関期の天皇の喪葬とその対立軸の変化――喪葬の仏教儀礼化・朝廷からの分離・死穢の変質
    一 はじめに
    二 摂関期における喪葬儀礼の典型
    三 醍醐天皇の喪葬にみるその性格の変化
    四 宇多法王とそれに続く譲位後の喪葬
    五 村上天皇の喪葬
    六 一条天皇の服喪と喪葬
    七 後一条天皇の喪葬
    八 律令期から摂関期への移行と天皇の喪葬儀礼の変質
    九 小結
    註
第三章 穢れのひろがりと収束
 第一節 穢れの相対性――穢れと供物と儀礼対象の関係
    一 はじめに
    二 式文の穢れ規定の成立
    三 忌むべきものと供物と祭祀対象の関係
    四 祭祀で用いられる可能性と穢れ
    五 小結
    註
 第二節 朝廷の穢れと神社の穢れ――律令期の穢れの非単一性
    一 はじめに
    二 『延喜式』の穢れ
    三 神社の汚穢
    四 抽象概念としての穢れ
    五 小結
    註
 第三節 二つの穢れの融合――穢れ観念の古代から中世への展開
    一 はじめに
    二 峻別される神社の死と朝廷の死
    三 祭祀者から検非違使への穢れ処理の移管
    四 穢れ観念の相互浸透
    五 朝廷での穢れの中世的再構築
    六 小結
    註
第四章 埋葬後の儀礼からみる律令期の死者観念――死者の形態と場所――
 第一節 埋葬後の天皇を対象とする儀礼にみる死者観念――皇帝と天皇の存在形態の差異
    一 はじめに
    二 廟祭と喪葬における死者
    三 遺体と霊魂の関係
    四 唐の陵墓での祭祀の対象
    五 日本の山陵と霊魂
    六 陵墓と霊魂の峻別の否定
    七 小結
    註
 第二節 埋葬後の官人への儀礼からみる死者の形態と場所――墓を造られない官人の死後はどうなるのか
    一 はじめに
    二 陵墓とその祭祀についての制度
    三 官人への死後の儀礼と朝廷
    四 死者の扱いから導かれる死者観念
    五 小結
    註
第五章 仏教説話に見る律令期のもう一つの死の理解
 第一節 輪廻観念の解体と因果の及ぶ限界――『日本霊異記』の化牛説話を中心にして
    一 はじめに
    二 『霊異記』の化牛説話の特徴
    三 『霊異記』編纂の意図
    四 牛は来世か現世か
    五 化牛説話の背景としての冥界訪問説話
    六 小結
    註
 第二節 滅罪の一時的滞在地としての地獄――『霊異記』の地獄(冥界)の仕組みと機能
    一 はじめに
    二 『冥報記』の六道輪廻という世界認識
    三 『霊異記』の地獄観念と死後理解
    四 『冥報記』と『霊異記』の地獄観念と死後理解
    五 小結
    註
 第三節 冥界の空間構造と死者の身体性――『霊異記』の冥界訪問説話を中心に
    一 はじめに
    二 冥界訪問説話の構成
    三 冥界の構造
    四 この世と冥界との往来と身体
    五 冥界での身体と身体性
    六 この世に残る死体と霊魂との関係
    七 小結
    註
 第四節 「異相往生」は浄土にたどりつけたか――『往生極楽記』と『往生要集』『霊異記』との比較から
    一 はじめに
    二 往生者の伝記の基本的構成
    三 『往生極楽記』の極楽浄土
    四 『往生要集』の極楽浄土との異同
    五 『霊異記』の往生譚と『往生極楽記』
    六 小結
    註
第六章 浄土教における遺体の意義と死者の存在する空間
 第一節 『往生要集』は遺体を尊重する儀礼の理論的根拠となりうるか
    一 はじめに
    二 念仏と『往生要集』の世界認識
    三 臨終念仏から往生へ
    四 遺体が儀礼の対象となる可能性
    五 来世に儀礼が影響を与える可能性
    六 小結
    註
 第二節 『栄花物語』に描かれる浄土信仰とその基底――『栄花物語』と『往生要集』の差違からみる貴族の浄土信仰の実態
    一 はじめに
    二 道長の仏教に対する期待
    三 浄土往生の原理と念仏
    四 死体の持つ意義
    五 基底の思想
    六 小結
    註
 第三節 二十五三昧会における遺体尊重と死者観念
    一 はじめに
    二 念仏の目的と行われる状況
    三 死体がもつ意義
    四 死者に対する念仏は何を表現するか
    五 起請文への影響を与えたもの
    六 小結
    註
終 章 死者の扱いおよび存在の形態と空間
    一 死穢とこれを排除する状況の変遷――対立の構図の変遷
    二 埋葬後の死者の存在形態とその場所
参考文献
あとがき/初出一覧
索引

Copyright 1999 PERIKANSHA Publishing Inc. All rights reserved.